カザフスタン金融市場規制・発展庁は、2026年から2030年までの資本市場発展プログラムの案をまとめたと発表した。大統領の指示を受けて国立銀行や市場参加者とともに作成したもので、7つの方向に35の施策を並べる。アルマトイで開いた円卓会議で主要な内容を議論し、参加者が提案と勧告をまとめた段階で、採択はこれからである。新しい「資本市場法」も並行して策定中だという。
同庁によれば、過去5年で株式市場の時価総額は19兆1,000億テンゲから41兆8,000億テンゲへ2倍を超えて増え、年平均成長率は11%だった。債務証券市場も32兆テンゲから58兆テンゲへほぼ倍増し、企業債務の残高は24兆テンゲに達した。ただし19兆1,000億テンゲが年11%で5年伸びても32兆2,000億テンゲにしかならず、2つの数字は同じ期間の同じ指標としては両立しない。「過去5年」の起点がいつを指すのかも、発表に示されていない。
案に示された主な措置は次のとおりである。
| 項目 | 案の内容 |
|---|---|
| 機関投資家 | 年金資産の運用手法の見直し、金融機関が国内市場へ投資できる範囲の拡大 |
| 発行の手続き | 証券の登録を中央証券保管機関へ移して電子化、中堅企業向けの柔軟な発行条件、上場スポンサー制度の導入 |
| 会社形態 | パートナーシップと公開株式会社の中間にあたる簡易型の非公開株式会社。種類株式や従業員向けオプションを使え、会社の規模と株主数が一定の条件を満たすまでは取締役会を置かなくてよい |
| 税制 | IPO関連費用の税額控除、流通株比率を保つ公開会社への法人所得税率の一時的な引下げの検討 |
| 流通市場 | 証券貸借の一元的な仕組みと、それを用いた空売り(カバード・ショート)の容認、マーケットメーカーへの比例的な規制 |
| 対外接続 | カザフスタン株を国際的な保管・決済インフラへ接続、電子アポスティーユと遠隔での本人確認 |
| 監督 | リスクに基づく監督モデルを全市場へ拡大、KASE内に独立した規制委員会を設置 |
| 新しい分野 | 投資ファンド法、証券化、デジタル金融資産、イスラム金融の国債発行 |
| 持続可能な金融 | KASEとAIXの規則をグリーン・ソーシャルの国際的な分類原則に合わせる |
施策はいずれも計画・提案・検討という書き方で示されており、採択の時期も施行の時期も発表にはない。資金の出し手を増やす施策(年金資産の運用の見直し、証券貸借の仕組みと空売りの容認)と、受け手を増やす施策(上場スポンサー、IPO費用の税額控除、簡易型の非公開株式会社)が対になっているのが案の骨格で、どこまで動くかは同時に用意される資本市場法の中身で決まる。
