キルギス当局は8月18日、欧米の制裁リスクを国内の銀行と経済にもたらしうるとして、法人19社の強制清算に動いた。タイムズ・オブ・セントラルアジアが伝えた。制裁リスクが高いとみられる約40の組織を審査したうえでの選定で、社名は公表されていない。同時に大手銀行が、リスクが高いと判断した数十の顧客の口座を閉鎖している。
同種の措置は初めてではない。5月にも制裁リスクが確認された50社に事業停止が命じられた。アマンゲルディエフ第一副首相は当時、欧米の相手方から疑わしい企業の情報提供を受け、キルギス側が調査していると説明し、キルギス自体への制裁が国際決済と技術へのアクセスを断ちうると警告していた。
圧力は段階的に強まってきた。2023年夏、米財務省がキルギス登記の4社(RMデザイン&デベロップメント、プログレス・リデル、GTMEテクノロジー、カーゴライン)を制裁対象とした。ロシアへ電子機器などの規制品を供給し、カーゴラインは数百万ドル相当の外国製航空機材を輸送したとされる。2025年1月には米財務省がケレメト銀行を制裁対象とし、制裁下のロシア・プロムスビャジ銀行と越境送金の枠組みで協調したと指摘した。指定から数日でビザは同行発行カードの利用を同行のATMと端末に限定した。2025年8月には英国が、グリネックス、テングリコイン、オールド・ベクター、キャピタル・バンク・オブ・セントラルアジアを制裁対象に加えた。
キルギスは欧米の対ロシア制裁に正式には加わっていない。それでも、どの相手と取引できるか、どの銀行で送金できるかは、事実上その制裁が決めている。国全体への制限へ発展することを避けるため、当局が自ら企業を整理するという段階に入った形である。ロシアからの燃料供給が細り中国へ調達先を移している動きと合わせ、対ロシア関係の実務的な見直しが複数の分野で同時に進んでいる。
