アルメニア中央銀行が8月11日、電子マネーの発行と利用に関する規制の改正を発表した。中銀理事会の決定第177-N号によるもので、電子マネーの記帳口座(ウォレット)の開設に銀行口座か決済カードの保有を求める要件を撤廃した。あわせて、口座へのチャージと払戻しを非現金に限る方式を改め、現金でも行えるようにした。
対象は2015年1月13日の理事会決定第2-N号で承認された規則16.02(電子マネーの発行と取扱の手順・条件、取引への要求事項)である。決定第177-N号は2026年6月30日付で、サイトに記載された公表日は7月22日、施行は公式公表日の翌日から数えて10日目と定められている。2022年3月22日の決定第46-N号は廃止された。
顧客確認は現行法の顧客デューデリジェンス手続きに従い、マネーロンダリング・テロ資金供与対策法の要求を満たす。規則第8項には、記帳口座の開設に用いる同手続きを含む内部規程の整備義務が加えられた。
| 項目 | 改正の内容 |
|---|---|
| 口座開設 | 銀行口座・決済カードの保有義務を撤廃 |
| チャージ | 非現金のみ から 現金または非現金へ |
| 払戻し | 銀行口座・カードへの送金 から 現金または非現金へ |
| 顧客確認 | 現行法の顧客デューデリジェンス手続きを適用し、内部規程の整備を義務化 |
| 根拠 | 中銀理事会決定第177-N号(2026年6月30日)。規則16.02を改正し、2022年の決定第46-N号を廃止 |
中銀が挙げた狙いは3点で、電子マネーの利用可能性の拡大、金融機関間の対等な競争条件の整備、革新的な決済手段の開発促進である。決済機関は銀行インフラへの依存を下げ、扱える業務の幅を広げられる。銀行口座もカードも持たない層を現金のまま取り込める設計だが、その分だけ資金の出所は追いにくい。顧客デューデリジェンスと内部規程の整備を同時に義務づけたのは、その裏返しである。
