ジョージア国立銀行が両替業者5社に制裁金を科した。総額は209万6,000ラリにのぼる。ビジネス専門媒体BPNが同行の発表として伝えた。
処分の理由として挙げられているのは、取引データの記録漏れ、本人確認(ベリフィケーション)を経ないままのサービス提供、そして「資金洗浄およびテロ資金供与の防止の促進に関するジョージア法」が定める要件の不履行である。
内訳はこうなっている。
| 業者 | 制裁金 |
|---|---|
| 有限会社 J&G | 74万7,000ラリ |
| 個人事業 メラブ・ムスハラゼ | 71万3,000ラリ |
| 個人事業 メラブ・ベリゼ | 41万3,000ラリ |
| 有限会社 デメ | 18万8,000ラリ |
| 個人事業 ムルマン・シラビゼ | 3万5,500ラリ |
上位2社で全体の6割を占める。個人事業者が3社含まれている点は、この業態の規模の小ささを示している。
ジョージアの両替業は、周辺国の資金の動きと無関係ではない。同国はロシアからの人と資金の流入を受け続けており、対ロシア制裁の回避が国際的な関心事になっている。国立銀行はこれまでも制裁対象者との取引をめぐって金融機関に注意を促してきた。
今回の処分理由に「本人確認を経ないサービス提供」が明記されている点は、その文脈で読む必要がある。誰が両替したか記録が残らなければ、資金の出所も行き先も追えない。
なお同行は8月に別の面でも評価を受けている。ジョージアの外貨準備は7月に75億ドルと過去最高を更新し、S&Pは同国の格付け見通しを「ポジティブ」へ引き上げた。オックスフォード大学の国際出版物が同行のフィンテック関連の取り組みを取り上げたとも報じられている。監督の実務と対外的な評価が同時に動いている局面である。
