ジョージア国立銀行が2026年8月9日、米財務省外国資産管理局(OFAC)の制裁対象に指定された事業体について声明を出した。表題が示す内容は明快である。当該事業体は同行の規制監督下にある事業体ではない、というものである。
中央銀行がわざわざこの種の声明を出す背景には、ジョージアの金融部門が置かれている位置がある。同国は対ロシア制裁の回避が国際的な関心事となる地域にあり、金融機関が制裁対象と取引しているのではないかという疑いは、銀行部門全体の信用に直結する。監督当局として「これはうちが監督している先ではない」と線を引くことには実務的な意味がある。
もっとも、その線引きは裏返せば、規制の外側にも金融的な活動が存在することを示す。同行は8月13日、両替業者5社に対して合計209万6,000ラリの制裁金を科した。理由には取引データの記録漏れ、本人確認を経ないサービス提供、資金洗浄・テロ資金供与防止法の要件不履行が挙げられている。監督下にある業者ですら記録が残っていない事例があった、ということである。
統計の整備でも動きがあった。同行は8月5日、国際社債の統計を対話型の統計基盤へ追加したと発表した。ジョージア企業が国際市場で発行する社債の状況を追える形にしたもので、市場の透明性を高める措置である。
同国の社債市場は規模が小さい。ゴールト・アンド・タガートの集計では、2026年6月に現地市場で起債したのはテゲタ・モーターズの2本のみだった。国際市場では、通信大手シルクネットが2027年満期の3億ドル債を親会社の借り換えで全額償還し、同社のカバレッジが終了している。統計の公開は、こうした個別の動きを外部から追える環境を整えることにあたる。
同行は8月に対外的な評価も受けている。外貨準備は7月に75億ドルと過去最高を更新し、S&Pは同国の格付け見通しを「ポジティブ」へ引き上げた。オックスフォード大学の国際的な出版物が同行のフィンテック関連の取り組みを取り上げたとも公表されている。
