ジョージアの電力輸出が事実上止まっている。2026年6月の輸出は前年同月比84.3%減の0.004TWhにとどまり、商業ベースの輸出は記録されなかった。唯一の輸出主体は国営のESCOで、過去の債務を清算するための供給だった。ゴールト・アンド・タガートの電力市場レポートが伝えた。
原因はトルコ側にある。トルコ国内で発電が余剰となり、同国がジョージアからの電力輸入を制限した。5月の輸出も73.1%減の0.05TWhと落ち込んでおり、この月のトルコの電力価格は平均1.8米セント/kWhと過去最低を記録している。同社は、トルコで急速に進む太陽光発電の導入が今後も夏場の価格を押し下げ続ける可能性を指摘する。
5月はジョージアにとって歴史的に輸出の主力月である。季節的に水力発電が最も多くなるためだ。その月に輸出先を失った結果、系統運用者は需給を均衡させるために発電所の出力抑制に踏み切らざるを得なかった。6月の国内発電量は16.3%減、5月は9.0%減である。
一方、国内消費は伸びている。6月の国内消費は0.3%増の1.1TWh、上期通算では5.1%増の7.3TWhとなった。しかし供給に占める輸入と火力発電の比率は上期に31.1%まで上昇している(前年同期は25.8%)。1〜4月は輸入依存が高まり、5〜6月は輸出が細るという、季節による不均衡がはっきり表れた形である。
同社はこの構造的な課題への対応として、貯水池式水力発電所、風力発電、蓄電池、そして輸出用の送電線——黒海海底ケーブルを含む——の整備が必要だと指摘している。冬季の輸入依存を減らしつつ、夏季の余剰を処理できる柔軟性が求められるという見立てである。
