ジョージアの小売電力料金が2026年4月1日から引き上げられた。家庭用は1キロワット時あたり5テトリの上昇で、平均27.2%の値上げにあたる。事業用は4〜7テトリ、平均20%の上昇である。トビリシのテルミコと、地方を担当するEPGサプライの双方の顧客が対象となる。ゴールト・アンド・タガートの電力市場レポートによる。
小売料金はジョージア国家エネルギー・水道規制委員会(GNERC)が、あらかじめ定められた透明な算定方法にもとづいて決める。今回の引き上げの主因は2つで、投資計画の拡大と、電力の調達費の上昇である。
同社は影響を複数の経路に分けて整理している。
まず物価である。今回の改定は全体の物価水準を約0.7ポイント押し上げると試算されている。ジョージアの2026年のインフレ率が想定を上回った要因のひとつが、この規制価格の改定だった。
次に設備である。投資支出の増加は送配電網の更新を進め、とくに地方での停電の頻度を下げることにつながる。送電網と変電所の改修が進めば、小規模発電所の系統連系にかかる費用も下がる可能性がある。
そして事業者の行動である。電力が高くなれば、企業は自家発電への関心を強める。同社は2021年の大幅な料金引き上げの後に同じ動きが起きたことを指摘している。
料金の背景には、電力収支の悪化がある。2025年通年の実績を見ると、系統に供給された電力は15.4テラワット時で、うち国内発電が13.8テラワット時、輸入が1.6テラワット時だった。国内消費は3.5%増の14.3テラワット時で、直接需要家の伸びが9.2%と最も速い。
一方で輸出は細った。輸出期間は5月から7月にとどまり、輸出量は0.5テラワット時と前年比51.2%減、平均輸出価格もトルコの市場清算価格の低下を受けて4.6米セント/kWh(2.0%減)へ下がった。その結果、輸出収入は52.2%減の2,350万ドルとなった。ジョージアは金額(純輸入2,430万ドル)でも数量(純輸入1.0テラワット時)でも電力の純輸入国である。
供給力の増強は続いている。2025年には太陽光6基と水力2基が新たに稼働し、合計出力は22.6メガワットだった。国全体の設備容量は4.7ギガワットに達している。ただし卸電力価格は4.1%上昇して5.8米セント/kWhとなり、需給の逼迫は緩んでいない。
輸出が細り、輸入が要り、設備投資が必要になる。その費用を誰が負担するのかという問いに対する答えが、今回の27%の値上げである。
