ジョージアの電力消費は2025年の14.9TWhから2035年には20.0TWhへ拡大する——ゴールト・アンド・タガートは5月8日のレポートでそう予測した。2026〜35年の年平均成長率は3.4%になる。
需要増の要因はGDPの成長と電化率の上昇である。エアコンや家電の普及、電気自動車の増加が具体的な押し上げ要因として挙げられている。
供給側の投資は制度に大きく左右されてきた。2007〜26年に建設された再生可能エネルギー発電所の94%は国の支援制度のもとで実現している。 2017年に電力購入契約(PPA)が停止されると投資家の関心は冷え込み、2022年末に差金決済契約(CFD)の仕組みが始まって再び回復した。
同社の基準シナリオでは、発電所の建設が加速し、2035年までに設備容量が8.8GWに達する。これには発電設備に45億ドル、送電網の整備に10億ドルの投資が必要になる。 このシナリオが実現すればジョージアは電力の純輸出国に転じる。逆に案件が遅れれば、輸入依存の高い状態が続く。
地域での電力取引の機会は、国境をまたぐ送電線の容量、地域全体の電源構成、電力価格、市場ルールに左右される。歴史的にはトルコがジョージアの主要な輸出先だったが、計画中のインフラ整備によって取引の選択肢が広がる可能性がある。
同レポートが特に挙げるのが黒海海底ケーブルである。これが実現すれば欧州向けの新たな輸出経路が生まれ、地域の電力取引におけるジョージアの役割が強まる。
ジョージアは2026年6月に電力輸出が84%減となり、トルコ市場に依存する構造の脆さが露呈したばかりである。輸出先の多様化は、この国にとって理論上の課題ではなく足元の問題になっている。
