ジョージアの対外公的債務が90億ドルを超えた。財務省の公表データをもとに、ビジネス専門媒体BPNが伝えた。
2026年7月時点の対外公的債務は90億1,600万ドルで、前月の89億8,900万ドルから2,720万ドル増えた。このうち政府の対外債務が87億5,200万ドルを占める。内訳は多国間の債権者に対する債務が67億3,000万ドル超、二国間の債権者に対する債務が15億2,700万ドルである。国立銀行の対外債務は別に2億6,382万ドルある。
多国間の債権者の内訳を見ると、開発金融機関がジョージアの財政をどう支えてきたかが分かる。
| 債権者 | 残高 |
|---|---|
| アジア開発銀行(ADB) | 24億6,900万ドル |
| 世界銀行 国際復興開発銀行(IBRD) | 18億9,600万ドル |
| 欧州投資銀行(EIB) | 11億8,500万ドル |
| 世界銀行 国際開発協会(IDA) | 3億5,303万ドル |
| アジアインフラ投資銀行(AIIB) | 2億4,019万ドル |
| 欧州復興開発銀行(EBRD) | 2億1,740万ドル |
最大の債権者がアジア開発銀行だという点は、この国の位置づけを考えるうえで示唆的である。ジョージアはコーカサスにあるが、ADBの区分では中央アジア地域の一員として扱われてきた。欧州統合を掲げながら、資金面ではアジアの開発金融に最も多くを負っている。
二国間では、フランスが8億4,509万ドル、ドイツが5億5,949万ドル、そして日本が1億390万ドルとなっている。日本の円借款がジョージアの公的債務の一部を構成していることは、日本の読者にとって直接の関わりを持つ事実である。
債務の増え方そのものは緩やかである。1か月で2,720万ドルの増加は、90億ドルの規模に対して0.3%にあたる。ジョージアの経済は2026年上期に7.9%成長し、S&Pは8月に格付け見通しを「ポジティブ」へ引き上げた。外貨準備は7月に75億ドルと過去最高を更新している。債務残高が90億ドル、外貨準備が75億ドルという対比で見れば、対外的な支払い能力に差し迫った問題はない。
ただし債務の中身には注意が要る。多国間の債権者からの借入が7割超を占めるということは、条件の緩やかな長期資金に依存しているということでもある。これらの機関が融資方針を変えれば、代替の調達手段は市場からの起債になり、条件は厳しくなる。EUとの関係が冷え込むなかで欧州投資銀行が11億ドルの債権者であり続けている点も、含みのある構図である。
