ITサービスに牽引されたICT部門が、ジョージア経済の成長エンジンになっている。2022年以降で最も成長の速い産業であり、2025年1〜9月の名目GDPの8.2%を占める第4の規模に達した。ゴールト・アンド・タガートの産業レポートによる。
この部門は輸出志向が強い。ICT輸出は2024年に8億4,200万ドル(サービス輸出全体の10.9%)、2025年1〜9月には前年同期比52.3%増の8億9,800万ドル(同14.0%)へ拡大した。IT部門の売上高は同期間に2.1倍の45億ラリとなっている。
2024年との対比が構造を物語る。2024年のITサービス輸出は大手の国際事業者数社の不振により9.2%減少したが、規模の小さい国際企業と地場企業の伸びが全体を支え、売上高としては48.8%増を確保した。
成長の主役は国際企業である。2020年の税制優遇の導入を境に、ジョージアのIT産業は国内向けの小さな産業から、国際企業の拠点へと性格を変えた。2022年には地政学的な変動を受けた国際IT企業と技術者の移転で成長が加速している。
国際企業と人材の流入は2020〜24年にIT部門の給与水準を倍にした。 高い賃金と国際的なキャリア機会が、IT教育への学生の需要を押し上げている。
ただし同レポートは、ここに不整合が生じていると指摘する。IT系の卒業生の供給が増えている一方で、国内の労働需要はむしろ弱まっている。 AIによる生産性向上がその一因である。
もっともジョージアの人材は国外へ活路を広げている。GitHub上のジョージア拠点の開発者は2024年に前年比22%増の13万8,300人に達した。国際的なプロジェクトへの参加と、海外の雇用主からの可視性が高まっていることを示す。
同レポートは、ITが国境を越え、ジョージアの人材が国際的に活動するようになった以上、世界的な潮流への適応が決定的だとする。特に専門分化と技能の高度化である。AIが定型作業を自動化するにつれ、需要は上級職、専門職、AI隣接の職種へ移りつつある。世界経済フォーラムは2030年までに仕事が人間・技術・両者の混成という3つの実行形態にほぼ均等に分かれると見込んでおり、継続的な技能向上が競争力を左右する。ジョージアにとっては、労働力の育成をこの流れに合わせられるかどうかが、ICT輸出をさらに伸ばし付加価値の階段を上る機会になる。
