ジョージアの通信大手シルクネットが、2027年満期・利率8.375%のユーロ債3億ドルを2025年9月に全額償還した。ゴールト・アンド・タガートの企業レポートが伝えた。
借り換えを主導したのは親会社のシルクロード・グループ・ホールディングである。同社は現金公開買付けと同意勧誘を同時に実施し、当初発行額3億ドルのうち買い戻し後に残っていた1億9,980万ドルを消却した。早期に応じた投資家には額面の102.0938%に経過利息を加えた価格が、遅れて応じた投資家には100%に経過利息を加えた価格が提示された。
買い戻しの原資は、シルクロード・グループが発行した5年物・利率7.50%・4億ドルの上位無担保保証付社債である。償還の一部にはシルクネット自身の手元資金も充てられた。新規調達の残りは、銀行借入と現地通貨建て債務の返済、およびグループ全体の設備投資に充てられる予定とされる。
事業の中身も確認しておく価値がある。シルクネットの2025年上期の売上高は前年同期比6.0%増の2億9,760万ラリだった。2024年通年は8.5%増の5億8,200万ラリである。伸びを牽引したのはモバイルデータで、契約者数の増加と利用量の増大が背景にある。固定ブロードバンドと有料テレビも小幅ながら寄与した。
収益性は高い。EBITDA利益率は2024年の63.6%から2025年上期には64.9%へ改善した。営業費用の伸びが売上を下回ったためである。営業フリーキャッシュフロー利益率は50%を超え、上期末の手元資金は1億8,680万ラリ(6,860万ドル)だった。純有利子負債はEBITDAの1.0倍を下回っている。
事業基盤の強化も進んだ。同社は2025年8月に5G用の周波数を確保し、世界有数の通信事業者であるオランジュと提携した。
なお同レポートは、2027年債の全額償還をもってシルクネットのカバレッジを終了すると記している。上場債がなくなり、開示の義務も薄れるためである。同社の今後の業績を外部から追うことは難しくなる。
