中央アジアの内陸2か国が、それぞれ別の相手と輸送の枠組みを詰めている。
イランとタジキスタンは2026年8月15日、テヘランで閣僚級の会談を行った。イラン道路・都市開発省によれば、出席したのはイランのファルザネ・サデグ道路・都市開発相、タジキスタンのアジム・イブラヒム運輸相、そしてダレル・ジュマ・エネルギー・水資源相である。
協議では、鉄道、道路、航空輸送、港湾、物流の各分野における協力を加速し実施する必要が強調された。サデグ氏は、両国間の国際鉄道貨物が2025年に増加したことに触れ、これを両国の関係が緊密になっている証しだと位置づけた。
イランのタジキスタンへの関与は輸送だけではない。同じ8月の会談で、イランは石油製品の追加輸出を検討していると表明し、年間およそ80万トンの取引を数倍に増やしうるとの見通しを示した。タジキスタンは燃料の調達難に直面しており、ロシアからの供給が細るなかでイランが代替の供給元として浮上している。
ただし両国は国境を接していない。間にアフガニスタン、あるいはトルクメニスタンとウズベキスタンが横たわる。運輸相が「輸送の方法を検討する」と述べたのは、そこが最大の制約だからである。鉄道貨物が増えたという事実は、その経路が実際に機能し始めていることを示す。
トルクメニスタンでは中国が存在感を示した。同国政府の広報が8月17日に公表した内容によれば、季樹民駐トルクメニスタン中国大使が、中国石化(シノペック)石油技術公司のトルクメニスタン支社を業務訪問した際に発言した。
大使は、トルクメニスタンの「大シルクロード復興戦略」と中国の一帯一路構想の整合が、同国における共同事業に好条件を生み出すと述べた。同社の活動を視察し、その貢献を高く評価したという。
トルクメニスタンは世界有数の天然ガス埋蔵量を持ちながら、輸出先が中国に大きく偏っている。同国はパキスタン向けのTAPIパイプラインと送電線の進展にも期待を示し、オマーンの企業とはトルクメンバシ製油所の石油製品について協議した。中国との協力を深めながら、他の方向にも経路を探るという構図である。
イランと中国が、それぞれ中央アジアの内陸国に対して輸送と資源の分野で関与を強めている。ロシアからの供給が細るなかで生じている空白を、両国が別々の経路から埋めつつある。
