資料写真:ホルゴス国際国境協力センター/Andon.swarovski1226(CC BY-SA 4.0)出典

運輸・インフラ

中央アジアの輸送案件が717億ドル、114件。TRACECAと中間回廊に428億ドルが集中

ユーラシア開発銀行の2026年輸送オブザーバトリーによれば、中央アジアで進行中および計画中の輸送案件は114件、総額717億ドルにのぼる。うちカザフスタンが域内投資の45%を占める。TRACECA回廊(カスピ海横断国際輸送路=中間回廊を含む)が428億ドルを引きつけ、域内最大の投資先となっている。

この記事が扱う国。国境は Natural Earth(パブリックドメイン)、点は各国の首都の位置。

中央アジアで進行中および計画中の輸送インフラ案件は114件、総額717億ドルにのぼる。ユーラシア開発銀行(EDB)の2026年輸送オブザーバトリーが示した数字として、トレンド通信が伝えた。

同オブザーバトリーは2026年7月1日時点で更新されたもので、ユーラシアの13か国にまたがる402件、総額3,450億ドルの案件を対象とする。そのうえで中央アジアを、輸送回廊の整備における重点地域のひとつと位置づけている。

投資の集中先は明確である。「TRACECA回廊、すなわちカスピ海横断国際輸送路(中間回廊)を含む経路が428億ドルを引きつけ、域内最大の投資先となっている。上位10件の案件が中央アジアの輸送インフラ投資全体の42%を占める」

国別ではカザフスタンが域内投資の45%を占め、突出している。同国はカスピ海の東岸に位置し、中国から欧州へ向かう貨物が最初に通過する国である。

案件の進捗にも内訳がある。114件のうち金額ベースで62%が実施中、29%が計画段階、9%が文書の準備段階である。実施中が6割を超えているという数字は、中間回廊が構想の段階を越えて工事に入っていることを示す。

もっとも、本サイトが個別に追ってきた実績は、その進捗と一様ではない。ジョージア鉄道の貨物輸送量は2025年1〜9月に4.9%減り、カザフスタンからの通過輸送の減少が主因だった。バクー・トビリシ・ジェイハンのパイプラインは2026年6月の原油輸送が前年比5%減である。一方でポチ港のコンテナ取扱は7%、一般貨物は60%増え、深水港アナクリアの建設が進み、ジョージアではアゼルバイジャンとアルメニアの国境へ通じる2億5,000万ユーロの高速道路の入札が動いている。

投資額が積み上がることと、貨物が実際に流れることは別の問題である。717億ドルという数字は前者を示す。後者を測るには、港の取扱量、鉄道の輸送量、パイプラインの日量といった実績を追い続ける必要がある。

なおEDBはロシア、カザフスタン、ベラルーシ、アルメニア、キルギス、タジキスタンが出資する多国間開発銀行である。本サイトは同行の報道発表をサイトマップ経由で確認したが、更新が2026年5月で止まっており巡回対象には加えていない。今回の数字は同行の報告書をトレンド通信が伝えたものである。

この記事の日付 2026年8月16日 は、出典が発表された日です。

本サイトでの初出 2026年8月17日 16:57

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