カザフスタンからロシアへの乗用車輸出が、事実上止まった。国家統計局のデータに基づき、クルシヴが伝えた。
金額ベースの推移は急落という言葉でも足りない。1月に100万ドル、2月と3月に各150万ドル、4月には550万ドルまで伸びた輸出が、5月に11万1400ドルへ縮み、6月は72ドルになった。文字どおり、ほぼゼロである。
背景は2つある。第一に、優遇条件でカザフスタンへ輸入された電気自動車について、ロシア国民とロシア居住者への譲渡を3年間禁じる措置が導入された。第二に、2025年末からロシア連邦税関庁が、カザフスタン経由で持ち込まれる車両のリサイクル税(廃車税)の計算の検査を強めた。対象にはカザフスタン国内で生産されたKia、ヒュンダイ、シュコダも含まれ、所有者が差額の追納を求められる事例が出ている。
この数字は、EAEUという関税同盟の内側でも、非関税の壁が一夜で貿易を止められることを示している。本サイトの用語解説で述べたとおり、EAEUの単一市場は制度上はモノの自由移動を保証するが、リサイクル税のような各国の国内制度が実質的な障壁として機能する。
カザフスタンの自動車産業は、ロシアの西側ブランド撤退後の再輸出・組立拠点として伸びてきた面がある。その経路が閉じたことは、国内組立の販路をEAEU域外へ探す圧力になる。同国の1〜7月の固定資本投資は247億ドルを超えて製造業向けが伸びており、自動車産業がその投資に見合う輸出先を確保できるかが問われている。
