カザフスタンがパブロダル州で大規模な計算基盤「データセンター・バレー」の建設を進めている。オルジャス・ベクテノフ首相が2026年8月13日に進捗を視察した。アスタナ・タイムズが伝えた。
人工知能の開発を支え、国際的なテクノロジー企業を誘致し、デジタル経済に輸出志向の新分野をつくることを狙った案件である。
第1棟の計画容量は50メガワットで、現在建設中である。エネルギーセンターとAIファクトリー棟の掘削工事は90%が完了し、基礎工事と管理棟の建設が進んでいる。データセンターと電源設備の主要建屋は2026年12月末までに完成する見込みで、試運転は2027年5月に終え、2027年6月の運用開始を予定する。
電力供給のため、カザフスタンは215メガワットの変電所をすでに取得した。用水と通信のインフラも整備中である。
長期の計画はより大きい。データセンター・バレーは段階的に拡張し、総容量で最大1ギガワットに達する設計になっている。実現すれば単一のデータセンターではなく、データセンター、AIファクトリー、GPUクラスタ、そして国際的なハイパースケーラー向けのクラウド基盤を収容できる大規模な計算キャンパスになる。
計算能力が戦略的な資源になりつつあるという認識が背景にある。人工知能は大量の計算資源を必要とし、データセンターはデジタル経済を支える不可欠なインフラとして位置づけられるようになった。
カザフスタンにとっては資源輸出に依存する経済構造を変える試みでもある。ただし1ギガワット級の計算基盤は膨大な電力を消費する。パブロダル州は石炭火力が集中する地域であり、この計画がどの電源で賄われるかは、同国の脱炭素の取り組みと直接ぶつかる論点になる。
