カザフスタンが鉱物肥料の国産化を進めている。国民経済省が8月18日に示した内容をアスタナ・タイムズが伝えた。同国はリン酸肥料の産業を既に持つ一方、窒素とカリウムが手薄で、2030年に向けた大型投資でこの空白を埋める計画である。
マンギスタウ州のカズアゾト・プライム複合施設は、年産でアンモニア66万トン、尿素57万7,500トン、硝酸アンモニウム50万トンを見込む。2030年に稼働すれば国内のアンモニア生産能力は3倍以上になり、工業規模の尿素生産は同国初となる。常用雇用は約700人。生産したアンモニアのうち約54万3,000トンを尿素と硝酸アンモニウムの原料に回す一貫生産の形をとり、付加価値を国内に残す設計である。
カリウム肥料は現在まったく生産していない。確認埋蔵量は66億トン超のカリ塩がありながら、国内需要の約1万4,000トンは全量を輸入で賄う。サティモラ鉱床のカザク・カリウム事業は2030年までに年150万トンの生産を計画しており、国内需要が30万トンに増えたとしても大半は輸出に回る。カズアゾト・プライムも尿素約47万トン、硝酸アンモニウム9万8,000トンの輸出を想定する。輸出経路としては中間回廊(カスピ海横断国際輸送ルート)の利用が見込まれている。
国内の肥料使用量は2023年の67万9,000トンから2025年に180万トンへ急増し、2026年は230万トンを目標とする。科学的に必要とされる量の最大73%にあたる。それでも1ヘクタールあたりの施肥量は25〜35キロと、世界平均の150〜160キロには遠く及ばない。国が肥料代の最大6割を補助しているのはこの差を埋めるためで、需要の伸びしろは大きい。穀物輸出国が肥料を輸入に頼る構図は食料安全保障の観点でも弱点であり、国産化はその是正でもある。
