エネルギー・資源

カザフスタンの北カトパル、タングステン事業が実務段階へ。2鉱床への投資は現時点の見積もりで約11億ドル

カラガンダ州の北カトパル・タングステン鉱床で、将来の採掘に向けた事業が実務段階に入った。タウケン・サムルクの8月31日の発表によれば、北カトパルとアッパー・カイラクティの2鉱床の開発と採掘・処理インフラ整備への総投資は現時点の見積もりで約11億ドル、2鉱床を合わせた生産量は年約1万2,000トンと見積もられている。

資料写真:坑内の作業員(カザフスタン)/Maria Mirnaya(CC BY-SA 4.0)出典
この記事が扱う国。国境は Natural Earth(パブリックドメイン)。点は本文に出てくる場所(カラガンダ)。

カザフスタン・カラガンダ州シェト地区の北カトパル・タングステン鉱床で、将来の採掘に向けた事業が実務段階に入った。国営鉱業会社タウケン・サムルクが8月31日に発表した。現地では7月から敷地の準備が進み、クルシフによれば式典は8月28日に開かれた。2025年11月の合意署名から2026年2月の株式譲渡契約までの経緯は8月13日の記事で伝えた。

発表によれば、2鉱床の開発と採掘・処理インフラ整備の総投資は現時点の見積もりで約11億ドル。最終事業化調査(DFS)は2027年末までに完了予定で、最終投資判断の土台になる。その後はFEED(基本設計)と詳細設計へ進み、主体工事の開始は2028年ごろ、試運転は2029年からとされる。

規模は次のとおり。

項目北カトパルアッパー・カイラクティ合計
年間生産量の見込み(タングステン製品)約5,000トン約7,000トン約1万2,000トン
三酸化タングステンの資源量14万2,000トン(式典で提示)記載なし2鉱床合計で約140万トン(JORC基準、2023年4月完了の調査)
鉱石量・品位7,140万トン・0.234%記載なし記載なし

式典で示された北カトパルの3つの数字は、鉱石量と品位を掛けても三酸化タングステンの資源量にはならない。基準の違いは発表に説明がない。

発表は年1万2,000トンを現在の世界のタングステン鉱山生産の約15%に当たるとしている。将来の加工設備の主要製品は、現段階ではパラタングステン酸アンモニウム(APT)が検討されている。

コーブ・カズ・キャピタル・グループのドミニク・ヒートン最高経営責任者はクルシフに対し、湿式製錬所を含む2鉱床の総予算は20億ドルに近い水準になるとしつつ、正確な数字はDFSの完了まで言えないと述べた。タウケン・サムルクのダニヤル・イドリソフ投資・戦略担当ディレクターは、契約上の義務は最低11億ドルで全額をコーブ・キャピタルが負担し、事業会社の北カトパルはコーブ側が70%、タウケン・サムルクが30%を持ち、タウケン・サムルクは採掘ライセンスの現物出資で参画するため現金は拠出しないと説明した。確定しているのはこの義務で、20億ドルは調査完了前の見積もりだ。

この記事の日付 2026年8月31日 は、出典が発表された日です。

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