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キルギス、仮想資産2社の免許取消しとステーブルコインKGST発行体の清算開始を経済商業相が公表。制裁下の企業・個人は25超と説明

キルギスのスィドィコフ経済商業相は9月5日、バーチャル資産・ブロックチェーン技術発展国家評議会で、仮想資産サービス2社の免許取消しと、ソム連動ステーブルコインKGSTの発行体エルペイの清算開始を閣僚内閣が決めたことを明らかにした。制裁下のキルギス企業・個人は25超、うち3社はかつて免許を受けた仮想資産事業者だという。

資料写真:キルギスの谷/Ninara from Helsinki, Finland(CC BY 2.0)出典
この記事が扱う国。国境は Natural Earth(パブリックドメイン)。点は本文に出てくる場所(ビシュケク)。

キルギスのバキト・スィドィコフ経済商業相は9月5日、イシククル州チョルポンアタで開かれた大統領直属のバーチャル資産・ブロックチェーン技術発展国家評議会の第3回会合で、仮想資産サービスを提供する2社の免許を取り消したこと、ソムに連動するステーブルコインKGSTの発行体エルペイの清算開始を閣僚内閣が決定したことを明らかにした。24.kgが同相の発言として伝えた。

「わが国の法域にとって制裁リスクはもはや理論上のものではなくなり、恒常的で厳格な監督を要する」と同相は述べた。

同相によれば、2022年以降、米国、欧州連合、英国の対ロシア制裁は第三国の企業と金融機関に及ぶようになった。制裁リストに載っているキルギスの企業と個人は25を超え、そのなかにはかつて免許を受けた仮想資産サービス提供者3社が含まれる。業界を監視するために分析基盤クリプト・コンプライアンスを稼働させ、顧客、実質的支配者、取引、暗号ウォレットが違法な活動とつながっていないかを照合しているという。免許を取り消された2社はペイビス・ゴールドとインフィンで、エルペイについては閣僚内閣が清算の開始を決めたと同相は説明した。

同じ会合について大統領府が公表した発表には、免許の取消しも、エルペイの清算も、制裁対象が25を超えるという数字も、クリプト・コンプライアンスの名も出てこない。発表が制裁に触れているのは、参加者が国際的な制裁と制限に関わるリスクでキルギスの仮想資産市場の参加者に及びうるものを別途取り上げた、という1文だけである。免許の取消しと清算の決定は、この会合での経済商業相の発言として伝えられている内容である。閣僚内閣の決定そのものは公表されていない。政府のサイトでは、プレス欄に載る最新の記事が8月31日付、決定と命令の一覧に載る最新の文書が8月27日付の第587号で、いずれにも清算の決定はない。決定の番号も採択日も明らかになっていない。

制裁がキルギスの仮想資産事業者に及んできた経緯は、各国政府の公表資料で追える。米財務省外国資産管理局(OFAC)は2025年8月14日、暗号資産取引所ガランテックスを改めて制裁対象に指定するとともに、その後継としてガランテックスの従業員がつくったとするグリネックス、幹部3人、ロシアとキルギスの関連会社6社を指定した。ルーブル建てのステーブルコインA7A5を発行するのはキルギスのオールド・ベクターで、同社はロシアの越境決済会社A7を支援したとして指定された。A7は、制裁対象のロシアの銀行プロムスビャジ銀行と、同じく制裁対象のモルドバの実業家イラン・ショル氏が保有する。

英国は2025年8月20日、グリネックス、テングリコイン、オールド・ベクター、キャピタル・バンク・オブ・セントラルアジアを含む8者を制裁対象に加えた。英政府は、A7A5が専用の暗号資産取引所で稼働開始から4か月間に93億ドルを動かしたとしている。

欧州連合は2025年10月23日の第19次制裁で、A7A5の開発元、キルギスの発行体オールド・ベクター、主要な取引の場となっていたグリネックスを指定し、域内でA7A5を使うこと自体を初めて禁じた。官報の記載によれば、グリネックスはキルギスに登記された取引所で、A7A5に投じられたルーブルと同額がロシア国営のプロムスビャジ銀行に預け入れられる仕組みだとされる。2026年4月23日の第20次制裁では、A7A5が大量に取引されるプラットフォーム「Meer」を運営するビシュケクのテングリコインが加わった。同じ制裁で欧州連合は、EUから輸入した工作機械と一部の通信機器がロシアへ渡るのを防げていないとしてキルギスに対し迂回対策の手段を初めて発動し、これらの品目のキルギス向け輸出を禁じた。取引禁止の対象も、キルギス、ラオス、アゼルバイジャンの銀行4行へ広げている。

免許の取消し自体は今回が最初ではない。バーチャル資産・ブロックチェーン技術国家庁(NAVA)が公開している免許の登録簿によれば、仮想資産取引所テングリコインの免許は2026年6月3日付の金融市場規制監督局命令292-pで、仮想資産交換業者グリネックスの免許は7月15日付の同局命令376-pで、それぞれ効力を終えている。同じ7月15日には仮想資産取引所オンリー・ファイナンスの免許も命令377-pで終了した。命令を出した金融市場規制監督局は経済商業省の付属機関であり、スィドィコフ氏が率いる省の下にある。登録簿は仮想資産の交換業者、取引所、採掘事業者の登録状況を公開しており、この3社はいずれも取消しとして記録されている。ただし登録簿には、内容が不完全であるか一時的に最新でない場合があるとの断り書きが付いている。

キルギスは欧米の対ロシア制裁に正式には加わっていない。それでも8月18日には制裁リスクのある法人19社の強制清算に動いており、整理の対象は仮想資産の分野にも及んだ形である。免許を出す側が、事業者の免許を取り消し、ステーブルコインの発行体を清算に回すところまで動いている。ただし今回免許を取り消されたペイビス・ゴールドとインフィンが制裁対象に入っているかどうかは、経済商業相の説明にも各国政府の公表資料にも示されていない。制裁対象と重なるのは、すでに免許を終えたテングリコインとグリネックスである。

同じ会合で大統領はデジタルソムの基盤プラットフォームの試験を2026年12月31日までに行うよう国立銀行に指示している。国が発行するデジタル通貨を進める一方で、民間のステーブルコインの発行体は清算へ向かう。大統領府の発表はKGSTについて発展と利用の展望を議論したとだけ記し、発行体の清算には触れていない。両者がどう関係するのかは、大統領府の発表にも経済商業相の説明にも書かれていない。

この記事の日付 2026年9月5日 は、出典が発表された日です。

本サイトでの初出 2026年9月7日 2:28

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