キルギスの経済商業省は10月29日、「キルギス共和国産業開発銀行について」の法律案を政府の公開協議ポータルに掲載し、意見の受け付けを始めた。期限は11月13日。法案はまだ成立していない。
法案によると、産業開発銀行は公開株式会社の形をとる国の開発金融機関で、全株式を国が持ち、株主の権限は内閣が行使する(第1条)。目的は、工場の新設と近代化、技術更新、輸出向けと輸入代替の生産、工業団地などの産業インフラに中長期の資金を回すことにある。
規制の枠組みは一般の銀行と異なる。法案は「銀行および銀行業について」の法律と国立銀行の規則を原則として適用せず、国立銀行の免許も要らないとし、国立銀行は法律に定めのある場合を除いて規制と監督を行わない(第2条)。自己資本の充実度、流動性、リスクの集中、引当金などの基準は内閣が定める。
業務には制限を設ける。個人からの預金の受け入れと個人向けの口座の開設を禁じ、国の機関と地方自治体への融資も禁じる(第13条)。資金源には、資本金と株主の拠出、共和国予算、国際金融機関や開発機関からの借入、債券の発行などを挙げる(第14条)。銀行の債務への国家保証は、予算法令が定める場合に限る(第16条)。
貸出の扱いで目を引くのは第17条4項である。保証基金の保証が付いた部分の貸出は「正常資産」に分類し、その部分の引当率を0%とする。
資本金の額は法案に書かれていない。第15条は額と形成の方法を内閣が決めるとし、第32条は、法律の公布から6か月以内に内閣が設立の方法、定款、資本金の額と財源、支援の基準を決めると定める。施行は公布の10日後。経済商業省の説明書も、財源は共和国予算と設立者の財産の拠出などで、国の支援の規模は内閣が予算の余力を踏まえて決めるとしており、規模を示していない。
説明書は、この法案に先立つ構想にも触れている。先に提出された「産業開発基金について」の法律案は、国の非営利組織が返還型の融資、金融機関を通じた融資、金利補助、保証、リースを担う形を定めている。説明書はこの基金の形を「主として組織・予算的な性格」で、借入やリスク管理を行う専門の金融機関の業務を十分に捉えていないとし、専門の開発銀行の形を用いることを提案している。基金法案を取り下げるのか、いつ提出されたのかは、説明書に書かれていない。
説明書はまた、別の法律で地位を定められたキルギス共和国国家開発銀行がすでにあると明記し、法案を最終的に詰める段階で、新しい銀行と国家開発銀行の権限の関係を定め、機能の重複を避ける必要があると書いている。両者の切り分けは、この案ではまだ決まっていない。
国家開発銀行の根拠法は2012年8月9日の法律第161号で、直近では2023年10月5日の第185号で改正されている。現行の条文も、銀行業の法律と国立銀行の規則を適用せず、免許を不要とし、国立銀行は監督を行わないと定め、預金の受け入れを禁じている。最低資本金は20億ソムと書かれている。国立銀行の監督の外に国の開発銀行を置く仕組み自体は既存の制度にあり、説明書が挙げる違いは、対象を工業に絞る点である。説明書はこれを、一般的な経済発展の機能と産業政策の目的別の資金供給を切り分けるためだと説明している。
