輸入石油製品の9割超をロシアに頼るキルギスで、燃料調達の前提が崩れつつある。ウクライナの無人機攻撃と定期補修でロシアの製油能力が低下し、8月中旬時点でロシアの少なくとも10地域が燃料販売制限を導入。中央アジア向けの供給余力が細っている。タイムズ・オブ・セントラルアジアによると、カザフスタン国境に近いオルスク製油所(年処理能力約600万トン)は8月11日の攻撃で停止し、修理に最大6カ月かかる見通しだ。
価格への波及は速い。ビシュケクのAI-92ガソリンは5月の平均リットル78.4ソムから8月17日には87.9ソムへ上がり、AI-95は109.9ソム、ディーゼルは99.9ソムに達した。AI-95を置けないスタンドや一時休業も出ている。1〜5月のロシアからの供給はガソリン25万1,000トン、ディーゼル23万5,150トンだった。
国内の石油トレーダー協会は24.kgに対し、8月以降の新規契約がディーゼルでトン1,550〜1,600ドル、AI-92で1,400〜1,450ドルと、従来を大きく上回る水準になっていると明らかにした。安値で仕入れた在庫は尽きつつあるが、価格補填など国の支援策の条件が旧価格を前提に設計されているため、業者は高値での大口契約に踏み切れずにいる。協会は、支援条件か小売価格の上限を見直さなければ将来の供給に響くと警告した。
政府の対応も動いた。アクンベコフ副首相は8月17日、ウルムチで中国シノペックの幹部と会談し、石油製品の直接供給を輸送・通関を含めて協議した。会談には国内石油関連企業10社超が同行している。ロシアはEAEU枠内の無関税供給で価格面の優位を保つだけに全面転換は難しいが、供給源の分散は現実の政策課題になった。隣国カザフスタンでもミニ製油所の鉄道輸出制限が解除され、地域の燃料フローは組み替えが始まっている。
