資料写真:タシケントの公園通り/Far Chinberdiev(Unsplash License)出典

金融・投資

タシケントに複合開発Bektemir City、58ヘクタール・12億ドル。用地を電子競売にかけインフラ費に充てる

タシケント市のウムルザコフ市長が8月18日、ベクテミル区のBektemir City整備事業の決定に署名した。区画を電子オークションで売り、収入をインフラ整備に充てる。上位の内閣決定第83号は、首都の31案件・162.8億ドルの一部として同事業を58ヘクタール・12億ドルと定める。

この記事が扱う国。国境は Natural Earth(パブリックドメイン)、点は各国の首都の位置。

タシケント市のシャフカト・ウムルザコフ市長は8月18日、ベクテミル区にBektemir City(公式表記はBektemir siti)を整備する決定に署名した。法務省が運用する地方自治体決定の登録システムに419-14-0-Q/26号として登録され、公表日と施行日はいずれも8月18日である。正式題名は「ベクテミル区における近代的で高い建築的外観を備えた『Bektemir siti』センター事業の実施について」で、決定を採択したのはタシケント市役所である。ただし同システムは現在この決定の本文を表示できず、中身を伝えているのはガゼータ・ウズの報道だけである。

同紙によれば、決定は土地のより効率的な利用、投資の誘致、収益性の高い雇用の創出を目的に掲げ、業務地区整備プログラム「Business City」と首都の複合開発の枠組みで実施するとしている。区の役所には、対象区域の建物と構築物の棚卸しと境界の確定を指示している。同紙は事業を新しい業務地区(деловой центр)と呼ぶが、この呼び方はBusiness Cityプログラムの枠内で実施するという記述に由来するもので、決定の正式題名にも上位計画の記載にも業務やビジネスの語はない。

その上位にある計画が、内閣が2026年2月28日に採択した決定第83号である。附属の投資案件一覧には31件が並び、用地は合計2,311.4ヘクタール、事業費は合計162.8億ドルとされる。Bektemir Cityはこの一覧の2番目、ベクテミル区ザバルダスト地区の58.0ヘクタール、12億ドルの案件として記載されている。事業内容は集合住宅、生活サービス施設、社会・娯楽施設の整備である。一覧の中で明確にビジネス・商業センターと書かれているのは23番のオルマゾル区ミスキン地区で、こちらもBektemir Cityと同じ58.0ヘクタール、事業費は12億6,000万ドルである。

区・地区用地(ha)事業事業費(百万ドル)
ベクテミル区ヌラフション・ミリシコル150.0集合住宅・生活サービス・社会娯楽施設3,000
ヤンギハヨト区ホジャウチクン・ヤンギグルゾル799.0産業区域「ヤンギ・アヴロド」1,670
ウチテパ区カッタチョポノタ74.5集合住宅・生活サービス・ホテル・社会施設1,410
セルゲリ区ソグディヨナ44.7集合住宅・生活サービス施設1,340
オルマゾル区ミスキン58.0近代的なビジネス・商業センター1,260
ミロバド区バイナルミナル・ヤンギミロバド71.6集合住宅・生活サービス施設1,209
ベクテミル区ザバルダスト(Bektemir City)58.0集合住宅・生活サービス・社会娯楽施設1,200
31件の合計2,311.416,280

資金の作り方が、この事業の要である。ガゼータ・ウズが伝えた決定の内容によれば、発注者はタシケント市役所付属の新業務センター「Olmazor Business City」建設・運営局で、市の副市長および区役所と共同で対象区域を確定し、マスタープランと詳細計画を策定する。マスタープランの承認後に土地を区画(ロット)へ分けて電子オークションにかけ、落札収入を域内の工学ネットワークとインフラの設計・建設、および運営局の維持費に充てる。

内閣決定第83号は、これとは別の資金回収の仕組みも定めている。すべての投資案件から、販売する建設ボリュームに応じて工学通信網と道路交通インフラの整備費の一部を賄う負担金(インフラ料金)を徴収する。建設密度、緑地の割合、インフラと社会施設への負荷に応じ、1.1倍から3.0倍の引き上げ係数を市議会の決定で適用する。各案件は敷地の30%以上を緑地とし、インフラ料金などを財源に9地区で合計139.6ヘクタールの公園をタシケント・インベスト社が整備して保全区域に移す。設計と施工には、国内規格への適合作業と鑑定を経ることを条件に、国際規格や外国の技術基準を使うことが認められる。

政府が見込む効果も同決定に書かれている。31案件が実現すれば、建設によって年間15億ドルの域内総生産が上乗せされ、3兆5,000億スムの純税収と26万人の新規雇用が生まれるとする。首都の再開発を、住宅供給と同時に税収と雇用の源泉として設計していることになる。ウズベキスタン2026年上期の固定資本投資は17.5%増の283億ドルで、投資の受け入れ規模そのものは拡大が続いている。

もっとも、確定しているのは枠組みだけである。ガゼータ・ウズによれば、市長決定には完成時期も建築の詳細な諸元も書かれておらず、マスタープランと詳細計画の策定後に決まる。対象は大環状道路4Р21沿いのザバルダスト地区と、ベクテミル街道沿いのベクテミル・アバイ両地区の二つに分かれる。内閣決定の一覧にも「事業費は承認された設計文書に従って確定する」との注記が付いており、162.8億ドルも12億ドルも、現時点では構想段階の見積もりである。土地の落札額がインフラ費を賄えるかどうかが、この方式が首都の他地区へ広がるかを左右する。

この記事の日付 2026年8月18日 は、出典が発表された日です。

本サイトでの初出 2026年8月22日 10:47

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