ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領は8月28日、新タシケントで開かれた独立35周年の記念式典で演説し、2030年までに国内総生産を3,000億ドルに引き上げると述べた。大統領府がロシア語版とウズベク語版で全文を公表している。
演説には年限の異なる目標が並んでおり、読み分けが要る。3,000億ドルは2030年、つまり4年後の水準である。これとは別に、今後10年で外国投資4,500億ドルを誘致し、1人あたりGDPを1万ドル超にするとした。工業分野で200万人の高収入の雇用をつくるという目標とあわせ、いずれも経済を高技術・高生産性の型に移すという第3の国家プログラムの中で示された。
2030年のGDP目標は、この3年で二度動いている。
| 時点 | 2030年のGDP目標 | 根拠 |
|---|---|---|
| 2023年9月11日 | 1,600億ドル(1人あたり所得4,000ドル) | 大統領令UP-158「ウズベキスタン-2030」戦略 |
| 2025年12月26日 | 2,400億ドル超 | 大統領教書 |
| 2026年2月16日 | 2,400億ドル超(成果指標167) | 大統領令UP-21が承認した更新版戦略。UP-158は2月17日に失効 |
| 2026年8月28日 | 3,000億ドル | 独立35周年記念式典の演説 |
現在効力を持つのは2月17日に施行された更新版の「ウズベキスタン-2030」戦略で、2026年から2030年までの年次の道筋も置いている。2025年の現状値を1,450億ドルとし、2026年1,670億ドル、2027年1,820億ドル、2028年1,990億ドル、2029年2,185億ドル、2030年2,400億ドルという並びである。演説の3,000億ドルは、この終点を25%上回る。
演説は、3年前に立てた1,600億ドルの目標を今年中に達成するとも述べた。ただしこれ自体は新しい話ではない。2025年12月26日の大統領教書で、大統領本人がこの水準は2026年に到達できると既に述べている。
投資の数字には定義の注意がいる。演説は、かつて年20〜30億ドルだった外国投資の誘致が現在は年400〜500億ドルになったとしている。これは国際収支ベースの対内直接投資ではなく、ウズベキスタン政府が使う「誘致した外国投資」という広い指標である。更新版戦略の成果指標194は同じ指標の2025年の値を431億ドル、2026年の計画値を505億ドルとしており、演説の数字はこの系列に対応する。指標194そのものは金額の目標ではなく、誘致額の年平均5〜7%増を求めるものである。金額が置かれているのは2025年と2026年の2列だけで、2027年から2030年までは年6%または7%という伸び率が並ぶ。
この指標が資本形成そのものではないことは、政府の資料の中だけで確かめられる。2025年12月の教書は、同年に誘致した外国投資を431億ドルとしたうえで、投資全体の対GDP比を31.9%としている。更新版戦略が置く2025年のGDP1,450億ドルで計算すると投資全体は460億ドル程度で、431億ドルはそのほとんどを占めてしまう。比較のために挙げると、2026年上半期の固定資本投資は338兆9,000億スム、およそ283億ドルである。8月25日に163件の事業が稼働した式典でも、大統領府は過去10年の外国投資を1,600億ドルとしつつ、直接投資に限るとは書いていない。GDP目標と同じ数字が並ぶが、こちらは10年間に呼び込んだ外国投資の累計で、別のものである。
演説が挙げた7つの国家プログラムは、知識と技能、健康と長寿、高技術と生産性、水と自然、司法の独立と法の支配、マハッラ、平和と友好の地・寛容な国としての威信の各分野に対応する。ただし演説は今後数年で実施すると述べるにとどまる。法令データベースで8月24日から29日までを範囲に指定すると、出てくる大統領令はいずれも8月27日付のUP-175とUP-176の2件だけで、内容は外国貿易取引の延滞債権の削減と、大統領と企業家の第6回公開対話で定めた課題の実施である。制度としての裏づけはまだ示されていない。
演説はこのほか、貧困率が2017年の35%から今年は4%に下がったとした。
数字の重さは、目標の高さより指標の連続性で決まる。外国投資4,500億ドルという10年の目標は、更新版戦略が2026年に置く505億ドルを横ばいのまま10年続けた場合の5,050億ドルを下回る。横ばいは下限にすぎず、戦略自身が置く年6〜7%増の道筋を10年延ばせば積み上げは6,900億ドル前後になる。政府自身の物差しで測るかぎり、外国投資の目標は加速を意味しない。演説の3,000億ドルが政策として動き出すかどうかは、更新版戦略の成果指標が書き換えられるかどうかで確かめられる。
