2026年2月28日に始まったイランをめぐる情勢の緊迫は、世界のエネルギー市場に変動をもたらし、地域の空域と海上輸送に一時的な混乱を生じさせた。ジョージア経済への影響について、ゴールト・アンド・タガートは2度にわたって検証を行っている。
最初の評価は3月4日である。同社は外貨の流入経路に絞って分析した。観光収入、海外からの送金、物品輸出、直接投資の4つである。基準シナリオのもとで、ジョージア経済全体への影響は最小限にとどまるとの結論を示した。
50日後の4月22日、同社は実績データによる検証を行っている。緊迫は1か月をはるかに超えて続いたにもかかわらず、経済指標はむしろ堅調だった。
3月の物品輸出と送金はいずれも前年同月比で伸び続けた。税収と付加価値税の課税売上高も底堅く推移している。付加価値税の課税売上は経済活動を実時間に近い形で映す代理指標であり、この数字が保たれたことは実体の悪化がなかったことを示す。ラリは3月中旬から上昇基調に戻った。
これらの指標をもとに、同社は3月のGDP成長率を前年同月比6.0%超と推計した。1〜2月が8.4%増だったことと合わせると、第1四半期は力強い数字になる。同社はこの時点で2026年通年の成長率見通しを6.0%に据え置いた。中東の緊迫が経済活動全般へ波及した形跡が乏しかったためである。
もっとも、影響がまったくなかったわけではない。同じ情勢は別の経路でジョージアに及んだ。ひとつは物価である。エネルギー価格の上昇が燃料価格を押し上げ、2026年の平均インフレ率の予想は3.0%から4.8%へ、さらに5.1%へと引き上げられた。金融政策は緩和から利上げへ転じている。
もうひとつは観光である。第2四半期には中東からの訪問が32.4%減り、イランからの観光収入は65.1%減、サウジアラビアからは61.9%減となった。マクロの総量では吸収されても、観光という個別分野には明確な打撃が出た。
実体経済は持ちこたえ、物価と特定分野は打撃を受けた。これが50日を経た時点での構図である。
