カザフスタンが地質・地球物理探査を拡大している。年内に探査の対象は220万平方キロメートルに及び、25地区で作業が完了する見込みである。産業建設省が8月17日に公表した内容として、アスタナ・タイムズが伝えた。
方針の中心は縮尺の切り替えである。従来の20万分の1の広域調査から、5万分の1の詳細地質図(GS-50)へ移行する。今年はGS-50の20事業が始まった。対象は金、銅、多金属、レアアース元素、リチウム、タングステン、モリブデンなどの戦略鉱物である。
政府は2026〜28年の地質調査と地震探査に407億テンゲ(8800万ドル)を配分した。うち327億テンゲ(7070万ドル)がGS-50事業に、80億テンゲ(1730万ドル)が地震探査に充てられる。北トルガイ堆積盆地とシュー・サルスー堆積盆地で2次元地震探査6事業も予定する。
手法は航空物理探査、地球化学分析と室内試験、リモートセンシング解析、掘削、物理検層を組み合わせる。狙いは地質上の不確実性を減らし、将来の鉱山事業の投資判断を立てやすくすることにある。
この探査計画は、原料輸出中心の経済から抜け出すという目標に結びついている。オルジャス・ベクテノフ首相は6月11日のアスタナ鉱業冶金会議(AMM 2026)で、より深い加工と競争力のある付加価値生産を目指すと述べた。過去2年間で10億ドル超の高付加価値の鉱業・冶金設備が稼働している。
米商務省の対外商務庁を率いるデイビッド・フォーゲル氏は同会議で、地図作成と測量が不確実性を減らして投資を呼び込む前提だと指摘した。「資源と地理をきちんと地図にしなければ、効率は上がらず、大規模な投資を引き寄せることもできない」と述べ、人工知能がすでに地質解析と測量を変えつつあると付け加えた。
この戦略を体現するのが北カトパルと上部カイラクトゥイのタングステン事業である。米国のコーブ・キャピタルとカザフスタンのタウケン・サムルクによる合弁で、採掘、選鉱、冶金処理までの全工程を国内で完結させる構想である。コーブ・キャピタルは、確定可能性調査と最終投資決定を条件に、総額11億ドル以上の投資が必要になると見込む。
生産物にはパラタングステン酸アンモニウム(APT)が含まれる。タングステン粉末や炭化タングステンなどの素材へ加工する際の中間製品であり、原鉱のまま売るより単価が高い。既存の調査では年間1万2000トン程度のタングステン生産の可能性が示されているが、最終的な生産能力と事業採算はなお検討中である。
この案件は、地質的な有望性と商業生産の間にある距離を示している。探査と可能性調査から資金調達と操業へ、どれだけ案件を進められるかが、戦略が実際の経済価値を生むかどうかを決める。
見るべき指標は3つある。商業的に意味のある発見が出るか、可能性調査と資金調達がどこまで進むか、そして加工設備が実際に建つかである。
