キルギスが英国での季節農業労働を希望する国民の登録を開始した。労働・社会保障・移民省の下にある海外就労センターが8月17日に公表した内容として、トレンド通信が伝えた。
受付は短い。「オンライン登録は8月17日12時に開き、8月20日23時59分(ビシケク時間)に閉じる」と同センターは述べている。対象は英国の季節農業労働計画への2027年の参加である。
制度そのものは英国側の枠組みで、収穫期に限って外国人労働者を受け入れるものである。キルギス政府が窓口となって希望者を取りまとめる形は、労働力の送り出しを国が管理していることを示す。
海外就労はキルギス経済の柱のひとつである。同国は中央アジアで最も送金依存が高い国のひとつで、その多くはロシアからだった。しかし2026年上期の中央アジアからロシアへの労働移動は大幅に減っている。ロシア以外の送り出し先を確保する必要は、政策上の要請になっている。
英国という行き先には別の意味もある。ロシア向けの出稼ぎは同一言語圏という利点があるが、英国では言語と手続きの壁が高い。それでも政府が窓口を設ける理由は、賃金水準の差にあると考えられる。
同種の問題は域内の別の国でも表面化している。ジョージアでは国際貨物輸送の運転手が欧州へ流出し、輸送調査機関の輸送回廊研究センターによれば、運転手が見つからないために車両を止めている会社がある。欧州での賃金は月2,300〜3,700ユーロで、同国の水準とは開きが大きい。同センターは、ジョージアの輸送会社の車両の月間走行距離が欧州企業の4〜5分の1にとどまり、賃上げの余力がないと分析する。
キルギスは労働力を送り出す制度を整え、ジョージアは労働力の流出に事業が制約されている。どちらも同じ賃金差から生じている現象である。中央アジア・コーカサスへの投資を考えるとき、インフラや資源の数字と並んで、人が国内に留まるかどうかは実務上の変数になる。
