S&Pグローバル・レーティングが、タジキスタンの長期ソブリン格付けをBからB+へ1段階引き上げた。見通しは安定的で、短期格付けはBに据え置いた。タジキスタン国立銀行(NBT)によれば決定は8月14日付である。アジア・プラスが伝えた。
NBTは格上げの理由として、力強い経済成長、家計所得の増加、通貨ソモニの上昇、政府が債務を期日どおり履行してきたこと、主要な戦略事業の進捗を挙げた。S&P自身も、急速な成長と対外資金ポジションの改善を主因に挙げている。
S&Pの推計では、タジキスタン経済は2021〜25年に年平均約8.5%成長した。成長の持続とソモニ高により、1人あたりGDPは2026年に約1850ドルと、2021年のおよそ2倍に達する見込みである。純政府債務は今後数年、GDP比20%未満にとどまると予想されている。
水準としてはなお投資適格級ではない。S&Pの尺度で投資適格はBBB-からで、B+はそこから4段階下にある。B格帯は「現時点では債務を履行できるが、経済・金融環境の悪化に対して脆弱」という位置づけである。それでも、同国への融資や投資のリスク評価が一段改善したことは、調達コストの低下と資金アクセスの拡大につながりうる。
タジキスタンの公共投資はエネルギーが主要分野で、その旗艦がログン水力発電所である。アジア・プラスによれば、次の発電ユニットの稼働は2027年第3四半期に見込まれている。一方で8月14日の4か国停電では同国の送電系統の脆弱さも露呈しており、格付けが示す改善と、インフラの現実の間にはまだ距離がある。
なお、この格上げで域内の格付けの序列は、カザフスタン、アゼルバイジャン、ウズベキスタン、ジョージア、アルメニアに続く位置にタジキスタンが一歩近づいた形になる。フィッチとムーディーズも今年ウズベキスタンを1段階ずつ格上げしており、中央アジアのソブリン信用は全体として改善方向にある。
