ジョージアとアゼルバイジャンは2026年5月18日、バクー〜トビリシ間の旅客鉄道を毎日運行で再開することに合意した。運行は5月26日に始まった。ゴールト・アンド・タガートは、この再開がジョージアの観光収入に与える影響を分析したレポートを公表している。
同社は2026年の観光収入見通しを49億ドルに据え置いた。中東情勢の緊迫化で同地域からの訪問が一時的に落ち込んでいるが、鉄道の再開がその不足を完全に補うとの判断である。同社の試算では、2026年3〜4月に中東からの観光収入が約1億5,000万ドル失われた。これに対し、再開した鉄道経路から下期に2億ドルの追加収入が生じると見込む。
背景には、アゼルバイジャンからの訪問が大きく落ち込んでいた事情がある。ジョージアの外国人観光客に占めるアゼルバイジャンの比率は、2019年の15%から2025年にはわずか4%へ低下していた。パンデミック期に陸路国境が制限され、バクー〜トビリシ間の鉄道も止まったままだったためである。
同社はアゼルバイジャン発の観光収入について、2026年通年で4億3,500万ドルに達すると予測する。
見落とされやすい点として、この路線の利用者構成がある。2019年に同路線が扱った観光客は約1万9,000人だったが、そのうち47%は第三国からの旅行者だった。しかも中国が3番目に大きな送り出し市場である。 単にアゼルバイジャン人が戻るだけでなく、第三国の旅行者がこの経路を通ってジョージアへ入ることが期待できる。
中東からの一時的な弱含みを相殺する時期としては、再開はよく噛み合ったと同社は評価している。
