金融・投資

ウズベキスタン大統領の訪韓、同国大統領府は有望プロジェクト約120億ドルと発表。重要鉱物では輸出入銀行・ADBなど4者が覚書

ミルジヨエフ大統領の国賓訪韓で、ウズベキスタン大統領府は約120億ドルの有望プロジェクトが準備されたと発表し、韓国大統領室は協定・覚書13件の交換を伝えた。重要鉱物では韓国輸出入銀行やADBなど4者が覚書に署名した。高速鉄道車両8編成の追加導入は妥当性調査を始める段階で、借款を承認するかは調査の後に決める。

資料写真:高速鉄道アフラシャブ/Disdero(CC BY-SA 4.0)出典
この記事が扱う国。国境は Natural Earth(パブリックドメイン)。点は本文に出てくる場所(タシケント、フェルガナ)。

ウズベキスタンのミルジヨエフ大統領は9月13〜16日に韓国を国賓として訪れ、14日にソウルで李在明大統領と会談した。ウズベキスタン大統領府は会談の発表で、今回の訪問の結果として総額約120億ドルの有望プロジェクトが準備されたと書いた。約120億ドルについて、発表は署名や投資の決定には触れておらず、内訳も示していない。

韓国大統領室によると、会談に続いて両首脳が協定と覚書(MOU)計13件を交換した。大統領室の発表には、製造業のAI転換、医療製品の規制協力、観光、幼児・一般教育の覚書の名が出てくる。ウズベキスタン大統領府の発表には件数が無い。李大統領は、ウズベキスタン政府内に韓国企業を担当する「コリアデスク」が正式に開設され、両国の民間の経済人協議会が発足することを歓迎した。

韓国財政経済部が16日に公表した覚書4件のうち、3件はウズベキスタンとのものである。

覚書当事者署名
重要鉱物の加工・製造と供給網の協力プラットフォームの構築韓国輸出入銀行、ウズベキスタン復興開発基金(UFRD)、国営企業TMK(ウズベク技術金属コンビナート)、アジア開発銀行(ADB)9月15日、ビジネス・ラウンドテーブル
高速鉄道8編成の導入と、ゲノム・バイオバンク「バイオームセンター」の設立韓国財政経済部、ウズベキスタン投資産業貿易省9月14日、首脳会談
戦略的な事業発掘の体制の構築韓国輸出入銀行、ウズベキスタン投資産業貿易省9月14日、首脳会談

重要鉱物について、韓国大統領室は、両首脳が新たな協力分野として進め、「韓国・ウズベキスタン希少金属センター」を基盤に探査・開発・加工の全段階で供給網の協力を強めることにしたと発表した。財政経済部は4者の覚書を、ウズベキスタンの鉱物資源と韓国の加工・製錬技術に輸出入銀行とADBの金融支援を組み合わせる協力モデルだと説明し、高付加価値の加工・製造の事業を共同で発掘するとしている。ウズベキスタン大統領府は15日、輸出入銀行の頭取との会見の発表で、重要鉱物の事業に資金を出す共同ファンドの立ち上げを双方が満足をもって確認したと書いた。ファンドと覚書の関係は、どちらの発表にも書かれていない。

重要鉱物の協力の取り決め自体は以前からある。ウズベキスタン鉱業地質省は2024年6月、両国首脳の会談の際に、韓国の産業通商資源部と重要鉱物の採掘・加工と高付加価値製品の生産で協力する協定に署名したと発表している。ソウルでの両国のビジネス会合でも、TMKが加わって重要鉱物の投資と産業協力が話し合われていた。今回の覚書は、省どうしの2024年の協定と違い、金融支援を担う輸出入銀行とADBを当事者に含む。韓国産業通商部は16日、韓国地質資源研究院(KIGAM)とウズベキスタン鉱業地質省が重要鉱物の地質探査の協力覚書を結んだとも公表した。

高速鉄道の覚書は導入に向けたものである。財政経済部によると、車両8編成(56両)の追加導入について韓国の対外経済協力基金(EDCF)の妥当性調査を始め、2027年上半期まで調査したうえで、事業の審査を経て借款を承認するかを決める。ウズベキスタンは同基金の支援で導入した韓国の高速鉄道車両を2026年5月から運行しており、追加の導入を求めてきたという。バイオームセンターも、同基金の妥当性調査を2027年下半期まで行ってから借款を承認するかを決める。

輸出入銀行との「プログラム」は、ウズベキスタン大統領府の発表の間で書き方が違う。14日の会談の発表は、同行との戦略的パートナーシップ・プログラムが「採択された」とした。15日に公表した頭取との会見の発表は、大統領が総額80億ドルの新たなパートナーシップ・プログラムの「署名を支持した」とした。署名が済んだのか、両者が同じものを指すのかは書かれていない。韓国大統領室と財政経済部の発表には、このプログラムは出てこない。表にある14日の輸出入銀行と投資産業貿易省の覚書と同じものかも、どの発表からも分からない。

大統領の公式テレグラム・チャンネルは15日、両国のビジネス・フォーラムで韓国の主要企業・金融機関との共同事業の稼働と着工の式典が開かれたと伝えた。タシケントの化学技術センターが稼働し、ジザク州でキアの「ソネット・プライム」と車体パネル、フェルガナ州で電気機器、ナマンガン州でポリマー製品の生産が始まった。タシケントでは国立がんセンター、医科系の高等教育機関、ロボットとその部品の生産施設の建設が始まった。投資額は書かれていない。

ジザクの工場を持つADMグループは同じ15日、ソネット・プライムとともに稼働したプレス工場について、車体部品19点を年12万セット生産でき、投資額は5,000万ドルを超えると発表した。同社は2024年3月にジザクでキア「ソネット」の生産を始めたと発表しており、ソネット・プライムをその新しいモデルとしている。

16日には、李大統領が議長を務めた初の「中央アジア・韓国」首脳会議がソウルで開かれ、ミルジヨエフ大統領も出席した。

高速鉄道は2027年上半期、バイオームセンターは同年下半期まで妥当性調査を行い、その後の事業の審査を経て、借款を承認するかが決まる。約120億ドルの有望プロジェクトは、発表に内訳が示されていない。

この記事の日付 2026年9月16日 は、出典が発表された日です。

本サイトでの初出 2026年9月17日 4:21

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