ジョージア西部のマルトヴィリ自治体で、配電会社エネルゴ・プロ・ジョージアが110キロボルトの高圧送電線「マルトヴィリ」を建設している。同社の発表として、ビジネス専門媒体BPNが伝えた。投資額は1,500万ラリを超える。
目的は同自治体の信頼性のある安定した電力供給の確保である。新しい送電線はマルトヴィリ自治体への電力供給の主要な経路となり、同時に隣接するアバシャとセナキの両自治体の需要家にとっては代替の供給経路になる。
工事は同社の請負会社が担当し、完成までの残り期間は最大10日と見込まれている。
同社は工期についてこう説明している。「新しい送電線はマルトヴィリ自治体にとっても周辺の地区にとっても極めて重要であるため、夏の繁忙期にも工事を集中的に進めている。本来であれば数か月早く完成していた。しかし地域のいくつかの問題により、残念ながら需要期の最盛期に作業せざるを得なくなった」。安全確保のため、日中に数時間の供給制限が生じるとしている。
この投資が示すのは、ジョージアの配電網が抱える構造的な課題である。ひとつの自治体が単一の供給経路に依存し、代替経路がないという状態が各地に残っている。
8月14日には、カザフスタンで500キロボルトの送電線3本が同時に停止し、アルマトイと周辺で大規模な停電が発生した。ほぼ同時刻にキルギスとタジキスタンでも停電が報告されている。旧ソ連期に構築された統一系統の名残で、一国の障害が国境を越えて波及する構造である。
ジョージアの場合はそこに、電力の純輸入国であるという事情が重なる。2025年の輸出収入は52.2%減の2,350万ドルへ落ち込み、2026年6月の輸出は84.3%減だった。4月には小売料金が家庭用で平均27.2%引き上げられている。ゴールト・アンド・タガートはこの値上げについて、投資支出の増加が送配電網の更新を進め、とくに地方での停電の頻度を下げることにつながると分析していた。今回のマルトヴィリの工事は、その資金が実際にどこへ向かうかを示す一例といえる。
